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留学のクーリングオフは渡航後でも出せる

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渡航して授業が始まってから、聞いていた話と違うと気づくことがあります。クラスの人数、レベル分けの方法、滞在先の条件。

そのとき、8日がまだ残っていることがあります。契約したときに渡される書面を受け取った日から数えるので、出発の準備をしているうちに過ぎているとは限りません。

出せるのは書面だけではない

特定継続的役務提供(期間と金額の線を超えた契約に、法律が解約の権利を付ける仕組み)の章に、その方法があります。特定商取引法48条1項の末尾です。

書面又は電磁的記録によりその特定継続的役務提供等契約の解除を行うことができる。

数えるのは42条2項または3項の書面を受け取った日からで、8日を経過するまでです。この契約書面(契約したときに渡される、解除の起算になる書面)がメールで届いた場合、いつ受け取ったことになるのかは契約書面をメールで受け取ると8日はいつからにまとめました。

電磁的記録が入っているので、紙を郵送する形に限られません。海外にいて日本へ郵便を出しにくい状況でも、この点は詰まりません。

送った時点で効いている

海外から出すときに気になるのは、届くまでの日数です。ここは48条3項が決めています。

それぞれ当該解除を行う旨の書面又は電磁的記録による通知を発した時に、その効力を生ずる。

「発した時」です。相手に届いた時ではありません。8日の最終日に送れば、到着が何日後になっても効力はその日に生じています。

だから残しておくのは、届いたことの記録ではなく送ったことの記録になります。送信した日時が残る形で出して、その控えを保存します。

渡航後の心配は、条文の側で先に外してある

渡航後に出てくる心配条文がどう置いているか

  1. もう授業を受けてしまった6項が対価の請求をできないとしている既に役務が提供されたときでも、対価その他の金銭の支払を請求することができない
  2. 海外にいるので書面が届くまで日数がかかる3項が発した時に効力を生じるとしている到達を待たない。8日の最終日に送っても、その日に効力が生じている
  3. 契約書に違約金の定めがある4項が損害賠償や違約金を請求できないとしている8項が、これらに反する特約で不利なものを無効としている
渡航してから解除するときに出てくる心配と、条文の置き場所(特定商取引法48条)

3つとも、渡航してから起きる事情です。そのどれもが、解除する側の不利にならないように置かれています。

すでに受けた授業の分も請求されない

いちばん効くのが6項です。

役務提供事業者又は販売業者は、第一項の規定による特定継続的役務提供等契約の解除があつた場合には、既に当該特定継続的役務提供等契約に基づき特定継続的役務提供が行われたときにおいても、特定継続的役務提供受領者等に対し、当該特定継続的役務提供等契約に係る特定継続的役務の対価その他の金銭の支払を請求することができない。

既に…特定継続的役務提供が行われたときにおいても」の部分がそれです。留学では渡航してすぐ授業が始まるので、8日のあいだに何コマか受けていることになります。その分を日割りで引かれるのではないか、という心配はここで外れます。

中途解約のほうは扱いが違います。8日を過ぎてからやめる場合は、提供された分の対価が計算に入ります。そこは語学スクールの中途解約と返金の上限にまとめました。8日以内かどうかで、返る額の決まり方が変わります。

払った金は速やかに返る

7項が返還を決めています。

役務提供事業者は、第一項の規定による特定継続的役務提供契約の解除があつた場合において、当該特定継続的役務提供契約に関連して金銭を受領しているときは、特定継続的役務の提供を受ける者に対し、速やかに、これを返還しなければならない。

「関連して金銭を受領しているとき」なので、授業料に限りません。入学金や手続きの費用として払ったものも、その事業者が受け取っているならここに入ります。

48条4項です。

役務提供事業者若しくは販売業者又は関連商品の販売を行つた者は、当該解除に伴う損害賠償若しくは違約金の支払を請求することができない。

契約書に違約金の額が書かれていても、8項が効きます。

前各項の規定に反する特約で特定継続的役務提供受領者等に不利なものは、無効とする。

8日を過ぎていても、止まっている場合がある

48条1項には長い括弧書きがあります。事業者が解除に関する事項について事実と違うことを告げたり、威迫して困らせたりして、それによって8日を過ぎてしまった場合の話です。

そのときは、事業者が改めて「解除できる」と書いた書面を交付し、それを受け取った日から8日を数え直すという組み立てになっています。つまり妨害があった場合、8日は勝手には過ぎません。

告げられた内容が事実と違うときに取り消せる道は、期間の数え方が別です。不実告知があった契約は8日を過ぎても取り消せるに分けて書きました。

この仕組みが動かない契約もある

48条は特定継続的役務提供の章にあります。契約が期間と金額の線を超えていなければ、この章ごと当たりません。語学の教授は二月を超え、五万円を超えることが条件です。

線の数え方は英会話の解約は2か月と5万円で決まるにあります。日本の事業者があっせんだけをしている場合は、そもそも役務を提供しているのが現地の学校になるので、留学エージェントは誰と契約するかで分けた見方が先に要ります。

渡航後に出すときの順番

  1. 契約したときに渡された書面を出し、受け取った日を確かめる
  2. その日から8日以内かを数える
  3. 書面か電磁的記録で、解除する旨を出す。送信の日時が残る形にする
  4. 送った控えを保存する。届いたかどうかは効力に関係しない
  5. 受け取ったものがあれば返す。返還や引取りの費用は事業者の負担になる

書面がまだ渡されていない場合、8日は始まっていません。何が書かれているはずかは概要書面は申し込む前に渡されるにまとめました。

契約でもめたときの相談先は、消費者ホットライン 188 です。国境をまたぐ取引については、越境消費者センター(CCJ)の窓口もあります。

まとめ

  • 48条1項は解除の方法を「書面又は電磁的記録により」としている
  • 48条3項により、通知を発した時に効力が生じる。到達を待たない
  • 48条6項により、既に授業が行われていても対価を請求されない
  • 48条7項により、受領している金銭は速やかに返還される
  • 48条4項と8項により、違約金の定めがあっても請求できない

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