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契約書面をメールで受け取ると8日はいつから

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出発が近づいてから契約すると、書面が紙で届かないことがあります。PDFがメールで送られてくる形です。

そのとき困るのは、8日をいつから数えるのかです。8日は契約書面(契約したときに渡される、解除の起算になる書面)を受け取った日から数えます。クーリング・オフの期間は書面を受け取った日から数えるので、受け取ったことになる日が決まらないと、期間も決まりません。

紙でなくてよいが、先に承諾が要る

特定商取引法42条4項が、電磁的方法による提供を認めています。

役務提供事業者又は販売業者は、前三項の規定による書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、当該特定継続的役務の提供を受けようとする者若しくは当該特定継続的役務の提供を受ける権利を購入しようとする者、当該特定継続的役務の提供を受ける者又は当該特定継続的役務の提供を受ける権利の購入者の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。

読むところは2つです。「政令で定めるところにより」と「承諾を得て」。承諾なしに送っただけでは、書面を交付したことになりません。

承諾の取り方は政令が決めている

特定商取引に関する法律施行令26条1項が、承諾の手続きを決めています。事業者があらかじめ、電磁的方法の種類と内容を示したうえで、書面等によって承諾を得る、という形です。

つまり「PDFで送りますね」と口頭で言われて頷いた、という形は想定されていません。何をどの方法で送るのかを示され、こちらがそれに対して書面等で承諾する順序になります。

一度承諾したあとに気が変わった場合も、同じ26条の2項に道があります。

役務提供事業者又は販売業者は、前項の承諾を得た場合であつても、当該承諾に係る特定継続的役務の提供を受けようとする者等から書面等により法第四十二条第四項の規定による電磁的方法による提供を受けない旨の申出があつたときは、当該電磁的方法による提供をしてはならない。

書面等で「やめてください」と申し出れば止まります。そのあとで改めて承諾した場合は、また送れるようになります。

受け取った日は「ファイルへの記録がされた時」

8日の起算に直接効くのが42条5項です。

前項前段の規定による第二項又は第三項の書面に記載すべき事項の電磁的方法(主務省令で定める方法を除く。)による提供は、当該特定継続的役務の提供を受ける者又は当該特定継続的役務の提供を受ける権利の購入者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルへの記録がされた時に当該特定継続的役務の提供を受ける者又は当該特定継続的役務の提供を受ける権利の購入者に到達したものとみなす。

ファイルへの記録がされた時」なので、開いて読んだ時ではありません。届いた時点で到達したことになります。

紙で交付される

  • 渡された日から8日
  • 承諾は要らない
  • 手元に残るので日付を控えやすい

電磁的方法で提供される

  • ファイルへの記録がされた時に到達したとみなされる
  • 先に書面等での承諾が要る
  • 受信の日時が記録に残る

決まるのは「受け取った」の中身で、数え方そのものは変わらない

書面をどちらで受け取っても、8日は受け取った日から(特定商取引法42条4項・5項)

受信の日時が残るのは、こちらにとって有利に働きます。紙の場合は渡された日を自分で控えることになりますが、電磁的方法なら記録がそのまま残ります。

8日を数え始める日と、渡航してから出す場合の効力の生じ方は留学のクーリングオフは渡航後でも出せるにまとめました。

届いたかどうかは、事業者が確かめることになっている

施行令26条3項に、事業者側の義務があります。

当該事項が当該特定継続的役務の提供を受ける者又は特定継続的役務の提供を受ける権利の購入者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録されたか否か及び当該事項の閲覧に支障があるか否かを主務省令で定める方法により確認するものとする。

「閲覧に支障があるか否か」まで入っています。開けないファイル形式で送られた、文字化けして読めない、といった状態は、この確認の対象になります。

渡航先で日本語のPDFが開けない場合も同じです。送られたことと、読める状態で届いたことは別なので、開けなければその場で事業者に伝えます。

何が書かれているはずか

電磁的方法でも、書かれているはずの中身は紙のときと同じです。42条2項が7つの号で並べていて、役務の内容、対価、支払いの時期と方法、役務の提供期間、48条1項の解除に関する事項、49条1項の解除に関する事項、そして主務省令で定める事項です。

中身の読み方は概要書面は申し込む前に渡されるにまとめました。申し込む前に渡される書面と、契約したあとに渡される書面は別のもので、8日を数え始めるのは後のほうからです。

どちらの書面が来たのかを見分ける

紙のときは、申し込む前に受け取ったものと、契約したあとに受け取ったものが時間で分かれます。ところが電磁的方法だと、どちらもPDFの添付として同じ形で届きます。

8日を数え始めるのは、42条2項の書面のほうです。1項の概要書面ではありません。だから届いたPDFがどちらなのかを、こちらで見分けることになります。

見分ける手がかりは中身です。42条2項の書面には、役務の内容と購入する必要のある商品名、対価その他支払う金銭の額、その支払いの時期と方法、役務の提供期間、48条1項の解除に関する事項、49条1項の解除に関する事項が入っています。契約した内容がそのまま書かれているほうが、契約書面です。

同じ日に2通届くこともあります。その場合、8日の起算に使うのは契約書面のほうなので、両方を保存して受信の日時を残しておきます。

除かれている方法がある

42条5項には括弧書きがあります。「電磁的方法(主務省令で定める方法を除く)」という形で、到達したとみなす扱いから外れる方法が用意されています。

つまり、どの方法で送られたかによって、到達の扱いが変わることがあります。受信の日時を控えておく理由がここにもあります。送られた方法と日時の両方が残っていれば、あとで数え直せます。

確かめる順番

  1. 電磁的方法で送ると言われたら、種類と内容を示されたかを見る
  2. 承諾を書面等で出したかを確かめる。出していなければ、まだ交付されていない
  3. 受信の日時を控える。そこから8日を数える
  4. 開けない・読めない場合は、その場で事業者に伝える
  5. 紙で欲しい場合は、書面等でそう申し出る

2番目が抜けていると、事業者は書面を交付したつもりでも、条文の上では交付になっていないことになります。そのときは8日がまだ始まっていません。

この仕組みが動くのは、契約が期間と金額の線を超えている場合です。線の数え方は英会話の解約は2か月と5万円で決まるにあります。

契約でもめたときの相談先は、消費者ホットライン 188 です。

まとめ

  • 42条4項は、承諾を得たうえでなら電磁的方法で提供できるとしている
  • 承諾は、施行令26条1項により、種類と内容を示されたうえで書面等で出す
  • 施行令26条2項により、書面等で申し出れば電磁的方法による提供は止まる
  • 42条5項により、ファイルへの記録がされた時に到達したものとみなされる
  • 施行令26条3項により、届いたかと閲覧に支障がないかは事業者が確認する

出典