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留学費用を分割払いにすると使える条文

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留学の費用は、渡航のかなり前に払うことになります。授業料と滞在費をまとめて先に入れて、行くのは半年後ということもあります。

その間に事業者が止まると、払った金は相手の側にあります。どう払ったかで、そこからできることが変わります。

クレジットなら、事業者への事由を会社に向けられる

割賦販売法30条の4第1項です。カードの分割払いなど、包括信用購入あっせんが対象です。

購入者又は役務の提供を受ける者は、第二条第三項第一号に規定する包括信用購入あつせんに係る購入又は受領の方法により購入した商品若しくは指定権利又は受領する役務に係る第三十条の二の三第一項第二号の支払分の支払の請求を受けたときは、当該商品若しくは当該指定権利の販売につきそれを販売した包括信用購入あつせん関係販売業者又は当該役務の提供につきそれを提供する包括信用購入あつせん関係役務提供事業者に対して生じている事由をもつて、当該支払の請求をする包括信用購入あつせん業者に対抗することができる。

長い条文ですが、読むところは決まっています。役務を提供する事業者に対して生じている事由をもって、支払いを請求してくるクレジット会社に対抗できるという形になっています。

留学が実施されない、手配が行われない、という事情は事業者に対して生じた事由です。それをクレジット会社への支払いの場面で使えることになります。

同条2項です。

前項の規定に反する特約であつて購入者又は役務の提供を受ける者に不利なものは、無効とする。

契約書に「クレジット会社への支払いは止められません」と書かれていても、その特約のほうが無効になります。

事業者が案内するクレジットにも、同じ仕組みがある

信販会社と個別に組むクレジットは、包括ではなく個別信用購入あっせんです。35条の3の19第1項がこれを受けています。

購入者又は役務の提供を受ける者は、個別信用購入あつせん関係販売契約又は個別信用購入あつせん関係役務提供契約に係る第三十五条の三の八第三号の支払分の支払の請求を受けたときは、当該契約に係る個別信用購入あつせん関係販売業者又は個別信用購入あつせん関係役務提供事業者に対して生じている事由をもつて、当該支払の請求をする個別信用購入あつせん業者に対抗することができる。

同条2項も、不利な特約を無効としています。どちらの形でも使えて、違うのは条番号のほうです。

四万円の下限がある

それぞれの4項が、政令で定める金額に満たない支払総額には適用しないとしています。その政令が割賦販売法施行令21条1項です。

法第三十条の四第四項の政令で定める金額は、四万円とする。

個別のほうは施行令26条が同じく四万円としています。支払総額が四万円に満たない契約では、この抗弁が出てきません。留学の費用は超えることが多いところですが、手数料だけを別に払う契約では下回ることがあります。

どう払ったか止まったときに使える道

  1. 銀行振込で一括前払い事業者に直接請求する旅行業の登録があれば営業保証金からの弁済という道が別にある
  2. カードの分割払い(包括)30条の4第1項で支払いの請求に対抗できる支払総額が四万円に満たないものは施行令21条1項により対象外
  3. 事業者が案内する信販会社のクレジット(個別)35条の3の19第1項で同じく対抗できる四万円の下限は施行令26条
払い方で、事業者が止まったときの道が分かれる(割賦販売法30条の4・35条の3の19、同施行令21条・26条)

登録が無い事業者でも使える

ここが振込との大きな違いです。旅行業の登録がある事業者なら、営業保証金からの弁済という道があります。登録が無い事業者には、その道がありません

割賦販売法の抗弁は、事業者が旅行業の登録を持っているかどうかを見ていません。見ているのは払い方のほうです。だから登録が無い事業者と契約する場合ほど、払い方の違いが効いてきます。

営業保証金の側は留学エージェントから返金されないときにまとめました。登録の見分け方は留学エージェントは誰と契約するかにあります。

説明会で契約した場合は、クレジットの側も外せることがある

もう1つ、個別信用購入あっせんにだけ置かれている規定があります。35条の3の10が、クレジット契約そのものの申込みの撤回等を認めていて、期間は書面を受領した日から起算して8日です。

ただし、どんな契約でも使えるわけではありません。同条が挙げているのは6つの場合で、営業所等以外の場所で申込みを受けた場合、営業所等で特定顧客から申込みを受けた場合、電話勧誘顧客から郵便等で申込みを受けた場合と、それぞれについて契約を締結した場合です。

留学では、ホテルの会場や大学の構内で開かれる説明会やフェアで申し込むことがあります。事業者の営業所ではない場所なので、1号や4号に当たりうる形です。逆に、自分で調べて事業者のオフィスへ行って申し込んだ契約は、ここに入っていません。

対抗するときは、書面を出すことになる

抗弁は言えば止まるものではありません。30条の4第3項は、クレジット会社から事由の内容を記載した書面の提出を求められたときに、それを提出するよう努めることを求めています。個別のほうも35条の3の19第3項が同じ形です。

書くのは、いつから役務が受けられなくなったか、事業者に連絡した日と結果、契約の内容といったところです。連絡した記録が残っていないと、この書面が書けません

申し込む前に決めておくこと

  1. 支払総額が四万円を超えるか
  2. カードの分割か、事業者が案内するクレジットか
  3. 一括前払いを求められた場合、その事業者に旅行業の登録があるか
  4. 授業料と手配料を分けて払う形にできるか

4つ目は契約の相手が分かれる場合に効きます。金額をまとめると、どちらの契約について抗弁を出すのかが分かりにくくなります。

契約でもめたときの相談先は、消費者ホットライン 188 です。最寄りの消費生活センターにつながります。

まとめ

  • 30条の4第1項は、事業者に生じている事由をもってクレジット会社に対抗できるとしている
  • 同条2項により、これに反する不利な特約は無効
  • 個別クレジットは35条の3の19が同じ仕組みを置いている
  • 施行令21条1項と26条が四万円の下限を定めていて、それ未満は対象外
  • 35条の3の10のクレジット契約の撤回は6つの場合に限られる。説明会での申込みは当たりうる
  • 旅行業の登録の有無を問わないので、登録が無い事業者ほど払い方が効いてくる

出典